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日本神経回路学会論文賞受賞

2010年度の日本神経回路学会論文賞が、ATR招聘研究員の外山敬介先生、ATR客員室長の石井信先生、ATR研究員の兼村厚範、ATR研究員の下川丈明を著者に含む下記の論文に授与されました。

  • K. Okada, K. Toyama, & Y. Kobayashi, “Different pedunculopontine tegmental neurons signal predicted and actual task rewards, J. Neurosci., 29(15): 4858–70, 2009.
    • 強化学習は報酬予測誤差(報酬予測と実報酬の差)を最小化することにより行動を最適化します。 本研究は報酬予測と実報酬をコードする細胞がPPTNに存在することを証明し、 強化学習神経機構の解明に大きな一歩を記すものです。
  • A. Kanemura, S. Maeda, & S. Ishii, “Superresolution with compound Markov random fields via the variational EM algorithm,” Neural Netw., 22(7): 1025–1034, 2009.
    • 本研究では再構成型超解像とそれに伴うレジストレーションを同時に扱いました。 事前分布を複層マルコフ確率場とし、未知変数を周辺化するベイズ推定法を提案し、 オーバフィッティングを避けるだけでなく、 画像中の不連続性も保存する優れた超解像処理ができることを示しました。
  • S. Shinomoto, H. Kim, T. Shimokawa, N. Matsuno, S. Funahashi, K. Shima, I. Fujita, H. Tamura, T. Doi, K. Kawano, N. Inaba, K. Fukushima, S. Kurkin, K. Kurata, M. Taira, K. Tsutsui, H. Komatsu, T. Ogawa, K. Koida, J. Tanji, & K. Toyama, “Relating neuronal firing patterns to functional differentiation of cerebral cortex,” PLOS Comput. Biol., 5(7): e1000433, 2009.
    • 脳の様々な領野から計測されたスパイク時系列を総合的に調べることにより、信号の不規則性が感覚、 連合、運動などの機能に相関していることを明らかにしました。

参考:日本神経回路学会 受賞者リスト